二年前、私の家族は吸血鬼に襲われて行方不明になってしまった。私はその事件の唯一の生存者。生きる気力を失くしていた私は、
シモンの治療を受けて救ってもらった。それからずっと、この町で彼と一緒に暮らしている。
私は長く病を患っている。
シモンが作ってくれた薬のおかげで、完全回復には至らないものの少しずつ良くなってきていた。その日、ディナーの席で最近町で噂になっている吸血鬼の事件について
シモンと話すことに……
また吸血鬼が町の人を襲った。不安が広がる中、
シモンは子爵夫人のパーティーに出かけていた。体を休めるために屋敷に残っていた私は、青白い満月が昇る真夜中に目覚め、信じられない光景を目撃する……